今回の無償アップグレードサービスは、ブラウザなどのツールとは違い、OSと呼ばれるパソコン動作の根幹にあたるものです。
マイクロソフト(以下MS)は30年以上も昔からこの分野で市場シェアを徐徐に奪い頂点に君臨してきました。
時代の流れと言えば簡単ですが、デスクトップOSのシェアは依然として9割近く持っており、そんなおいしい所を無償アップグレードで「はい無償」と中核の事業をサービスのみに転じるとは思えません。
では本題です
ご存知の方も多いと思いますが、今回のバージョン10でWindows自体のメジャーアップグレードは廃止すると発表しています。(メジャーアップグレードとは、例えばWindows7からWindows8など、製品を大幅に変更する時などに使います。また、バージョンアップとも言いますが意味は同じです)
つまりは、後継にWindows11なんて出さず、Windows10で最後のバージョンとするとしています。
また、2015年6月現在ではパッケージ販売は当面ない様であるという事です。
無償アップグレードは吉とでるか
昔から、「ただより高い物はない」ということわざがありますが、MSがなぜ無償アップグレードに踏み切ったのかしばらく様子を見る必要があると思います。(対象ユーザーであれば1年の猶予があります)
対象ユーザーには朗報かも知れませんが、今までのバージョンの様に量販店や通販などで当面販売しないとなると、パソコン販売のメーカー側にはメリットはありません。
パッケージ販売を見送っている背景
- 不正コピーの防止(裏を突くやからはいくらでも出ると思いますが)
- 高速ブロードバンド環境を視野に入れた為(高速環境ばかりじゃないですけどね)
などいくつか考えられます。
パッケージ販売があれば市場に活気が少しは出たでしょうが、今の所、対象ユーザーのみ無償アップグレードを受けられるに過ぎず、このままだとメーカーに良くあるプレインストール版が存在しなくなる事になります。(エンタープライズ版は除く)
MSもその辺は当然考えているでしょが、現行販売にもある様にシリアル番号のみ販売してサポートを行う気でしょうか。
最後のアップグレードで気になる今後の対応
MSは公式にWindows10が最後であり、今後はアップデートに徹するとしています。
「Windows 10はWindowsの最後のバージョン」だと述べた。Telegraphの記事によると、Microsoftの広報担当者も「Windows 10のリリース以降、これまでのような派手なイベントとしてのメジャー・バージョンアップは廃止され、日常的に漸進的な改良が続くことになる」と、この趣旨を確認した。
バージョンアップよさらば―Windows10のリリース以降、Windowsはサービスになる(TechCrunch Japanより)
原文サイト(英語)
OSソフトで莫大な利益を上げてきたソフトメーカーですので転んでもただでは起きないでしょう。
現在好評なOffice365とバンドル販売では?なんて記事も見かけます。
バンドルだと仮定すると、Office365が現在、1ライセンスで1年間約1万円前後ですのでかなり現実味がある話になります。
現状でMicrosoftは表明していないが、将来的にWindows OSをサブスクリプション(月額、年額)モデルにして、OSとOffice 365をバンドル販売していく可能性がある。この場合、ベースとなるWindows 10(コンシューマー向け)は、Windows 8.1 for Bingのように無償に近い価格でOEMメーカーに提供され、その後エンドユーザーと毎月のセキュリティパッチや新機能の提供でWindows Updateを利用するサブスクリプション契約を結ぶという仕組みに変わるだろう。
Windows10は最後のメジャーアップグレードになる?( ITmediaエンタープライズより)
後は個人的な推測ですが、
無償アップグレードが終わった後は某アンチウイルスソフトメーカーの様に、1年から3年のライセンス契約を結び、契約中はずっとサポートを受けられる・・・なんて事も考えられます。1年の無償アップグレード期間は良くあるお試し期間ではないかと言う事です。
モバイル市場で出遅れたマイクロソフト
デスクトップOSソフトの販売では世界シェアを独占してきた最大手ソフトメーカーですが、モバイル市場では完全に出遅れたと言うか、巻き返しも不可能なレベルまで放されています。
その他プラットホームは省略して作成致しました(2015年6月22日補足)
Androidが増加2015年1月OSシェア(モバイル)(マイナビニュースより)
案の定、GoogleのAndroidとアップルのiOSで占められ他は全く相手になりません。
良いですよ別に、MSはデスクトップOSで約9割近いシェアを持っている訳ですから。
ソフトメーカーですので開発は宿命ですが、万が一今回のWindows10で戦略がこけた時、
ユーザーを食い止めるのは至難の業でしょう。(Windows10後継への逃げ道を自ら断った訳ですから)
ついでに書いておくと、今後はアップデートで対応していくとしていますが、モバイル関連機能などをどんどん盛り込んでいくとソフトの中身も当然大きくなり、必要スペックも肥大化していくと思われます。
参考リンク
・Windows10、PC市場踊らずパッケージ販売もなし(ITmediaビジネスオンラインより)
・Windows10は最後のメジャーアップグレードになる?(ITmediaエンタープライズより)
・バージョンアップよさらば―Windows10のリリース以降、Windowsはサービスになる(TechCrunch Japanより)
まとめ
個人的には最低半年は様子を見る事をおすすめ致します
新製品はソフトや電化製品などすべてに共通しますが、発売(Windows10は当面販売しない為今回は公開)したては必ずバグ(不具合)があります。
プレビュー版は問題無く動いているとの記事も見かけますが、動作環境が不明な点が多い為あてにならず参考程度でこれはスルー。
一番気になるのはカーネル(ウィキペディアより)を刷新したとある事です。
ざっくり書くと、ソフトの根幹となる部分を新しくしたと思って間違いありません。
基本的にはWindows8.1をほぼ継承している様ですが、通常使用のPCで無償アップグレードを行う場合は、アップグレード前に1年の猶予期間を十分に使い、デバイス(プリンター等)や、通常使用しているソフトの対応確認を取ってからアップグレードする事をおすすめ致します。
実際の所、Windows10に関しては各所でいろいろ記事が頻繁にアップされており、公開予定日とされている2015年7月29日まではどこまでが本当か分からないのが現状です。
最後に管理人の意見を入れさせてもらうと、
Windows10単体で本当に永久無償なら環境面もありますがアップグレードした方が得でしょう。
しかし、無償アップグレード後に料金体系があまりひどくなる様なら、Windows7や8.1をサポート終了まで使い続け、基本フリーのLinux系やマックOSも検討視野に入れ、第三勢力に期待します(例えばGoogle Chrome OS(ウィキペディアより)とか)
まあ、その頃にはPC市場も大分変っているでしょうけど。
後はMSの対応次第だと思っています。