マイクロソフト(以下MS)は、2016年1月からIE(Internet Explorer)のサポートを最新版にのみにシフトしていく様です。
では本題です
サポートメンテナンスの軽減へ
2016年1月12日より、サポートされているオペレーティングシステムで利用できる Internet Explorerの最新バージョンのみが技術サポートおよびセキュリティ更新 プログラムを受信します。たとえば、Windows7 SP1でInternet Explorer8、Internet Explorer 9、またはInternet Explorer10を使用しているお客様は、セキュリティ更新プログラムと技術サポートを受け続けるには、Internet Explorer11に移行する必要があります。
(Web翻訳の為、意味に若干の違いがあるかも知れません)
元々、IEは他のブラウザと比べてもサポートされているバージョンが多いです。
2014年8月現在でもバージョン7から11までの5つをサポートしていますが、 WindowsXP(以下XP)でVer6とともにサポートを打ち切った事から、メンテナンスの軽減につなげるのではないでしょうか。
シェアの高いバージョンユーザーの課題
IEの場合、特にVer8のユーザーが多く、サポート終了予定が約2年後だとしても課題は大きいと思います。
まるでXPサポート終了時を思い出します。
複数のプラットホームをサポートしているソフトメーカーの悩みだと思いますが、この決断が吉と出るか今後のサポート次第でしょうし、バージョンが古くても使う方は必ず残るでしょう。
2016年1月以降、IEの旧バージョンに対しては「エンタープライズモード」と呼ばれる互換モードで対応するらしいですが、
どれほどの効果があるかは不明です。
いつも後手にまわるMS
ブラウザのシェアだけでも約6割と以前高い数字であるにも関わらず複数バージョンのサポートを余儀なくされて来た為、今回の決定がブラウザシェアを落とす引き金のひとつになる可能性は否定できません。
事実、他社の代表ブラウザであるMozilla Firefox(モジラファイヤフォックス)やGoogle Chrome(グーグル・クローム)は不具合こそ出しますが常に最新バージョンを保つ様になっている為、基本的に旧バージョンのサポートを行っていないのが現状です。
また、旧バージョン要求に対してもセキュリティの関係から推奨していません。
最新版のみのサポートで残る課題
たとえば、不具合修正がありバージョンアップした所、今まで閲覧出来ていたサイト等が急に見れなくなったという事はたまにあります。
上記に挙げたグーグル・クロームなどは以前からバージョンをひとつにしていますので不具合が出ても対応は取りやすいと推測しますが、MSの場合2016年からとはいえ現在サポートしている複数バージョンをいきなりひとつにするのはなかなか課題が大きそうです。
参考リンク
・Microsoft、Internet Explorerのサポートを最新版のみに(マイナビニュースより)
- 遅すぎた決断
IEのブラウザ競争の歴史はネットスケープ時代からはじまり、自社ブラウザのバンドル商法など講じてきましたが、Ver6の時点で当時当たり前になりつつあったタグブラウザに対応しておらず、また、レンダリングの遅さも他社ブラウザにシェアを奪われる原因のひとつだったと思います。シェアが6割を切る中で、約2割がVer8のユーザーで旧バージョンながら今だに増えている現状がありますので、上手くサポートしないと互換モードがあると言っても確実にシェアを落としていくでしょう。
- ブラウザ新時代がくるか
サポートが長い製品は、セキュリティやコスト面からいずれ打ち切って行くしかなくこれはどのメーカーでも共通して言える事です。
IEを擁護するつもりはありませんが、Ver10あたりからスピード面でもかなり速くなってきています。また、IEは不具合が多いと言われますがユーザー数が多い為、特に目立つと思われます。
他社のブラウザに不具合がない訳ではなく、常に最新へバージョンアップしている為あまり目立たないだけです。
まだ先の話ですが、最新版しかサポートしないとなると当然パッチも配布されなくなる為、旧バージョンは注意が必要となってきます。